坐骨神経痛と漢方薬

坐骨神経痛と漢方薬

坐骨神経痛は腰痛代表的な症状のひとつで、お尻や太ももの裏や、すね・ふくらはぎなどに痛みやしびれがあらわれます。こうした痛みやしびれがあらわれるのは、神経が圧迫されているからですが、坐骨神経痛で圧迫されているのは馬尾神経という脊椎神経の末端部分と、下半身全体を網羅する神経のいちばん根元にあたる神経根と呼ばれる部分です。

坐骨神経痛は馬尾神経と神経根への障害が引き起こしている神経痛と言えるのですが、この障害の原因は、仙骨関節のずれから始まり、それが椎骨のずれを引き起こし馬尾・神経根への圧迫に繋がっていると考えられます。これが坐骨神経痛による痛みやしびれの大まかな仕組みです。

坐骨神経痛の治療は、痛みの緩和のための安静と薬物療法、理学療法などからはじまるわけですが、腰痛の治療・予防の方法には漢方という切り口も存在します。効果に個人差はあるようですが、坐骨神経痛の症状緩和にも漢方薬は有効です。

漢方からみた腰痛の根本的な原因

漢方では腰痛の原因を、水分代謝や血流の悪化にあると捉えています。

漢方では、腰は「腎の府」と呼ばれていますが、これは漢方において、腰と腎臓が密接な関係にあることを示しています。腎臓は泌尿器系の臓器で、血液からの老廃物や余分な水分の濾過、そして排尿を司り、また体液のバランスを維持する重要な臓器です。腎臓が疲弊すると体の水分代謝が狂い、体の様々な異常を誘発しますが、そのひとつに体の冷えを呼び込んでしまうということがあります。冷えは腰痛の大敵であり、腰痛を引き起こしやすい体質をつくっていくことから、水分代謝を良好に保つことは、腰痛にとって大事だということです。

ストレスが腰痛の原因に成り得ることは、漢方以外でも認識されはじめています。過剰なストレスがかかると、自律神経が乱れて、血流が悪化します。そして血液の循環が悪くなると、筋肉の疲労も蓄積されやすくなり、坐骨神経痛をはじめ、他の腰痛の症状も悪化させることになります。

整形外科では、水分代謝や腎機能低下といったことは部門外ですから、そこに腰痛の原因を求めていくことはまずありません。いっぽう漢方では、内科、整形外科といった区分けがありませんので、見逃している原因に気付かされることがあります。

腰痛に効果のある漢方薬

血行不良を解消する漢方薬として有名なのは、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「血府逐湯(けっぷちくおとう)」などがあります。
また腎機能を強化して水分代謝を良好にしてくれる漢方薬には、「八味丸(はちみがん)」や「六味丸(ろくみがん)」があります。

漢方薬は、同時に複数の効能を持つものが多く、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」や「血府逐湯(けっぷちくおとう)」は生理痛の緩和にも有効なお薬ですし、「八味丸(はちみがん)」や「六味丸(ろくみがん)」は女性に多い耳鳴りにも効き目のあるお薬です。

なお漢方薬が合う方は、薬を飲んだ時に飲みにくさがないものです。口に含んだ瞬間に抵抗なく飲める方は、その漢方薬が体にもよく効くと言われています。反対に飲みにくいと感じる場合は、体に合わないかも知れません。

また漢方薬は、長く飲み続けてはじめて効果が出てくると考えられている面がありますが、決してそんなことはなく、抵抗なく飲める方だと、意外に早く、且つよく効きます。漢方が合うか合わないかは、すぐ分かるものなので、坐骨神経痛の痛みに悩んでいる方は一度試してみると良いのではないでしょうか。