坐骨神経痛で悪性腫瘍に気づくこともある

坐骨神経痛で悪性腫瘍に気づくこともある

坐骨神経は、骨盤の中央に位置する仙骨から股関節に向かってついている梨状筋の下を通って下肢に向かって走っている神経です。梨状筋の下を通ったあと、太ももの裏、膝の後ろを通り、そこからは脛骨神経と総腓骨神経とに枝分かれしていき、それぞれの神経は足の裏にまで伸びています。

坐骨神経は、歩行、走行、跳躍時の下半身のバランス維持をため脳からの司令を伝達している重要な神経で、比較的皮膚の近いところに位置しながら、脚の皮膚感覚にも重要な役割を果たしています。

様々な腰痛症の症状としてあらわれる坐骨神経痛ですが、坐骨神経痛は一般的な腰痛以外に腰椎腫瘍の存在を知らせるシグナルとなることもあります。
腰椎に出来る腫瘍は良性のものもありますが、神経を圧迫しているケースでは除去しなければ、痛みがおさまらない場合もあります。また腫瘍が悪性の場合は、神経を刺激するだけでなく、骨そのものを阻害してく場合がありますし、脊椎以外の部位に転位していく可能性がありますので、できるだけ早く腫瘍の存在と様態をつきとめて必要な処置を施さなければなりません。

腰椎の腫瘍は、はじめ坐骨神経痛を疑い、レントゲンやMRI検査を行うなかで発見されます。痛みの原因が。坐骨神経痛としていちばん多い、ただの脊柱管狭窄症か、腫瘍によるものかをまず区別することになりますが、腫瘍の疑いがあれば、骨をとっての検査を実施して最終的な判別を行います。

腫瘍が悪性の場合は、すでに体の他の部位で生じた癌が転位しているケースがほとんどですが、稀にすでに生じている癌に気づかず、坐骨神経痛によって転移癌であることにはじめて気づくということもあります。なお骨に転位しやすい癌としては、唾液腺癌、前立腺癌などがあります。
腰痛症によって命を落とすことはありませんが、腰痛を引き起こしている原因に致命傷が潜んでいることがありますので、適切な検査と診断は欠かせないのです。