坐骨神経痛とトリガーポイント注射

坐骨神経痛とトリガーポイント注射

坐骨神経痛の症状解説でよく見かける言葉にトリガーポイントというものがあります。直訳すると「痛みの引き金となる箇所」ということですが、要は圧痛点ということです。指で押さえると痛みがあるポイントがトリガーポイントというわけですが、実際には指先で指すようなポイントと言うより、痛む箇所はもう少し広がりがあります。そしてこのトリガーポイントに局所麻酔注射をして痛みを取り除くのがトリガーポイント注射と呼ばれるものです。

トリガーポイントとは筋肉の炎症部分と考えられますので、トリガーポイント注射はいわゆる神経ブロック注射ではありません。坐骨神経痛の痛みやしびれの原因は、整形では神経が圧迫されることにあると考えられていますが、じつは腰痛以外の肩こりの痛みや関節痛なども、筋肉の炎症がきっかけとなって、神経圧迫の原因をつくっていることが多いわけです。
筋肉による痛みと神経圧迫による痛みを区分けするために、筋肉由来の痛みを筋・筋膜症疼痛症候群として診断する場合もありますが、整形外科の医師のなかには、坐骨神経痛と筋・筋膜痛の関係を重視する方もいます。たたしそうした考え方をする医師が少ないことが、トリガーポイント注射があまり重要視されていない背景となっているのかも知れません。

なおトリガーポイント注射を打ったからと言っても、坐骨神経痛等の痛みがすべて取り除かれるということではありません。また症状によってトリガーポイント注射の効果があらわれにくい特性の腰痛症もありますので、その点は注意しなければなりません。

たとえば、長時間筋肉にストレスがかかる姿勢や動作を強いられる方や、側湾が強く凸側の脊柱起立筋の痛みが強い場合、椎間関節性腰痛・椎間板性腰痛、筋肉の柔軟性が失われ血行不良が慢性化しているケース(高齢者に多い)などが、それに該当します。

こうしてみると、トリガーポイント注射は、その有効性が、腰痛の症状によって左右される要素が多いという点も少し気になるところです。逆に言うと、トリガーポイント注射の効果から、疑われる症状の絞り込みができると考えることもできるわけです。