坐骨神経痛とペインクリニック

坐骨神経痛とペインクリニック

最近では、日本でもペインクリニックの存在が認知されてきています。
ペインクリニックとは痛みを減らす治療を専門とする診療科です。

「ペイン=痛み」に対して働きかける「専門医」であり、最大の特徴は局所麻酔(ブロック注射)を用いて早急に痛みを抑えることを目的としていることで、おもに麻酔科の医師が行っています。

「痛みを引き起こす原因」に対して適切な処置を行わなくては、結局はまた再発という辛い事を繰り返すだけである、という考え方です。
治療とは、なぜその痛みが起こるのか、痛みの原因となっている疾患は何か、をしっかりと把握し、因果関係を絞り込む事がとても大切な第一歩となります。

ペインクリニックの治療は根本的な病気の治療ではありませんが、痛みを取り除くことで病状が好転し、そのまま治癒してしまうこともあります。

治療をしても、取り除くことのできない慢性的な痛みに対して、ペインクリニックの治療は効果的なのです。
神経ブロックにより痛みの原因である神経の炎症は抑えられ、血流もよくなるので治癒が早くなります。

坐骨神経痛の場合は、まずMRIなどの設備のある病院で診察を受け病名を確定させ、適切な治療を受けたうえでペインクリニックを訪れるようにしてください。

坐骨神経痛の原因が腰椎椎間板ヘルニアである場合、痛みをしのぐにはペインクリニックの代表的な治療法「神経ブロック」が有効です。
これは細い針を背中から入れ、脊髄近くの硬膜外腔と呼ぶ隙間や、その的になる交換神経、傷んだ神経の根本に局所麻酔薬を注入する方法です。

神経ブロック後にヘルニアによる神経圧迫が残っていても、炎症が落ち着くので痛みは軽減していきます。

神経に働きかけて、痛みの伝わりを遮断・ブロックするという治療ですので、医師には技術の高さが求められ、麻酔の専門である麻酔科の医師が行うのが通常です。
ペインクリニックを行う医師は、何年か麻酔科で従事したうえで、さらに2年の研修を経る場合もあります。

ブロック注射は痛みをブロックするだけでなく、血液の循環を良くし筋肉の緊張をほぐします。
その結果、痛みを誘発していた原因物質が血液中に流れ、血液によって痛みの原因物質が体外へと排出されて、次第に治癒してしまう人もいるということです。

痛みを放置しておくと、交感神経が刺激され血管が収縮し血行を悪くし筋肉の緊張を促します。痛みが痛みをよび、悪循環となっていきます。

ペインクリニックは、痛みの苦痛から患者を解き放つ医療ですが、自律神経を調整し交感神経、副交感の振幅バランスを取る治療も行います。
これはペインクリニックでは「鎮痛」「根本対処」の2段階治療が可能ということで、それが本来の流れと言えるのではないでしょうか。

現在、日本には約1,400人以上のペインクリニック専門医がいますが、腰痛が国民的な病気という事も考えれば、まだまだ十分といえる人数ではありません。